近年、駅や施設では、従来の鍵式コインロッカーに代わって、暗証番号を入力して施錠・解錠するタイプのキーレスロッカーが増えています。鍵をなくす心配がないため非常に便利ですが、その一方で「設定した暗証番号を忘れてしまった」という、鍵の紛失と同種のトラブルが発生する可能性があります。そんな時も、鍵式ロッカーの場合と同じく、慌てず冷静に対処することが大切です。基本的な対応の流れは、鍵式ロッカーとほとんど変わりません。まずは、ロッカーに記載されている管理会社の連絡先に電話をします。そして、「暗証番号を忘れてしまった」こと、ロッカーの所在地と番号を正確に伝えます。その後、現地に駆けつけたスタッフによる本人確認を経て、マスターキーや特殊な操作でロッカーを開けてもらうことになります。この際も、運転免許証などの身分証明書は必須です。では、費用はどうなるのでしょうか。鍵の交換という物理的なコストが発生しないため、鍵式ロッカーの違約金よりは安くなる傾向があります。しかし、スタッフを現地に派遣するための人件費や出張費は同様にかかるため、無料というわけにはいきません。一般的には、千円から三千円程度の「緊急解錠手数料」といった名目で費用が請求されることが多いようです。また、交通系ICカード(SuicaやPasmoなど)を鍵として利用するタイプのロッカーもあります。この場合、使用したICカード自体を紛失してしまうと、解錠が非常に困難になります。管理会社に連絡し、カードの利用履歴などを照会して本人確認を行うなど、より複雑な手続きが必要になる場合があります。どんなタイプのロッカーであれ、最も重要なのは、施錠時に発行される「お客様控え」のレシートを必ず受け取り、荷物を取り出すまで大切に保管しておくことです。このレシートには、ロッカー番号や暗証番号、管理会社の連絡先など、万が一の際に必要となる全ての情報が記載されています。これを撮影しておくのが最も確実です。
暗証番号式ロッカーで忘れた時の対処