合鍵を作る際にブランクキーの材質まで気にする人は少ないかもしれませんが、実はブランクキーに使われている金属の種類によって、鍵の耐久性や使い心地、さらにはシリンダー(鍵穴)への影響までもが変わってくるため、知っておいて損はない知識です。一般的に流通しているブランクキーの材質として最もポピュラーなのは「真鍮(黄銅)」であり、これは適度な硬さと加工のしやすさを兼ね備えているため、鍵屋さんの機械でスムーズに削ることができ、またシリンダー内部の部品(タンブラー)よりもわずかに柔らかいため、長期間使用しても鍵穴を摩耗させにくいというメリットがあります。真鍮製のブランクキーは通常、錆びを防ぎ見た目を良くするためにニッケルメッキ(銀色)などが施されていますが、使い込むうちにメッキが剥がれて地金の金色が出てくるのも味の一つです。一方、より高い耐久性を求める場合に選ばれるのが「洋白(ニッケルシルバー)」という合金で、これは銅、ニッケル、亜鉛の合金であり、真鍮よりも硬くて粘り強く、摩耗や曲げに対する耐性が高いため、純正キー(マスターキー)の素材としてよく採用されていますが、加工にはやや時間がかかり、ブランクキー自体の価格も真鍮より高価になります。また、最近では軽量化やファッション性を重視して「アルミ合金」を使ったブランクキーも登場しており、カラフルなアルマイト処理が施されていて見た目は綺麗で非常に軽いですが、強度は真鍮や洋白に劣るため、力の加減によっては折れやすく、摩耗も早いため、使用頻度の低いスペアキーとしての利用に向いています。逆に、安価なスチール(鉄)製のブランクキーも存在しますが、これは硬すぎてシリンダー内部を削ってしまう恐れがあるため、鍵のプロはあまり推奨しません。長く安心して使える合鍵を作るなら、純正キーと同じ洋白製か、信頼性の高い真鍮製のブランクキーを選ぶことが、鍵穴に優しく、トラブルの少ない鍵ライフを送るための秘訣と言えるでしょう。
ブランクキーの材質と耐久性の違い